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GHQと鍼灸

2018.05.28

GHQ (General Headquartersの略)連合国軍最高司令官総司令部とは、第二次世界大戦終結に伴うポツダム宣言を執行するために日本で占領政策を実施した連合国軍機関である。

 

GHQが、財閥解体や新憲法制定などを実施した事は、皆さんご存知だと思います。それ以外にも様々な変更廃止命令がされた訳ですが、私の職業、鍼灸においても、廃止されかけた事があるらしい。

 

40数年前、私が日本鍼灸理療学校(花田学園)の学生だった時、その学校長の花田伝先生が、授業中に思い出話をされた。

 

GHQが「鍼灸は野蛮で、よろしくないので、今後禁止すべきだ」と、提案しているという情報が伝わってきたらしい。

 

当時鍼灸を生業としていた先生方は「こりゃ大変だ。」とGHQ本部に行って鍼灸について説明したが、GHQは、取り合ってくれない。門前払いである。絶望的な状況であった。

 

戦争終了前に、アメリカ人捕虜に対して、お灸をしたらしい。体調が悪いと訴えた為、鍼灸の知識がある日本人衛生兵が、良かれと思って、お灸をしたらしい。動かないよう押さえつけられ、火をつけられたから、たまったものではない。捕虜の米国人は拷問と勘違いしたようだ。(言葉が通じないと、相互理解が難しい。)

 

そういう事(拷問と勘違い)が、GHQに報告され、鍼灸は、とんでもないという事になったようだ。

万策尽きたところで、ある人が、「日本では、視力障害を持っている方が、鍼灸マッサージを仕事としています。その人たちを見殺しにしていいんですか?」と訴えたらしい。その言葉で状況が一変。

 

米国はデモクラシーを標榜するだけあって、考え方が違う。

 

鍼灸を今後も認める決定がGHQより出され、鍼灸の道がなくなる事は免れた。

 

現在は北里大学病院、その他、鍼灸を診療に取り入れている病院が増えている。

 

東洋医学に救われる患者さんも多い。