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電気針について

2018.05.26

電気針について書いてみようと思います。

田中角栄さんが総理大臣、大平正芳さんが外務大臣の頃、日本と中国の国交が始まった。それより少し前、米国大統領ニクソン氏、国務長官キッシンジャー氏が訪中し国交を開いた。その頃に中国より鍼麻酔のニュースが、日本に届いた。(実際には、それより以前に、間中喜雄という医師のグループが鍼麻酔を成功させていたのだが、ニュースにならなかった。)

 

経穴(ツボ)に刺激を与えていると、その経穴(ツボ)に関連した部位の痛覚が低下する。長時間その刺激を与えていると痛覚麻痺がおこる。

その現象を利用したのが鍼麻酔である。

最初の頃は、施術者が長時間、施術手技を施したが、さすが長時間続けると、手が疲れる。その代わりに電気を利用した訳である。

 

私は外科医師ではないので、外科手術に携わることはないが、聞いた話だと、痛覚はとれるが、突っ張り感はとれないとの事。(内臓手術には、向いてないのかも?)

また、鍼麻酔の効き方に個人差があるので、全ての人が鍼麻酔に適応という事にならないらしい。

鍼麻酔で手術する場合でも、一般の麻酔も用意し、いつでも切り替え出来るようにしているらしい。

 

私たち鍼灸師の場合、治療に電気針を使うことはよくある。知覚過敏で針を怖がっているような患者さんには、使いませんが、強い刺激を好む方には、よく使います。

経穴(ツボ)に刺した針に電極をつなぎ通電する。少しずつ電圧を上げていき、患者さんが電気刺激を感じるあたりで電圧を止める。そして約10分位通電する。(外科手術する訳ではないので長時間の刺激は必要ない。)

電気針が始まった頃は、電流の波形が直流に近かったので、針が電気分解をおこし、針自体が損傷をおこす恐れがあったが、現在は棘状波という電気刺激を使う為、電気分解をおこす事は、ほぼないと考えていい。

今は針もディスポになり、一回使うと処分するので安全である。