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円皮鍼(えんぴしん)と皮内鍼(ひないしん)

2018.05.28

円皮鍼(えんぴしん)と皮内鍼(ひないしん)

 

皮膚に長時間留置する鍼に、円皮鍼と皮内鍼というのがあります。

外部刺激に対して生体反応を起こし易いのが、皮膚、筋膜(筋肉を包んでいる膜)であり、その中の皮膚反応に特化したのが、円皮鍼と皮内鍼である。

円皮鍼の形状は画鋲のようです。画鋲を皮膚に突き刺したように留置します。その上から針が取れないように絆創膏を貼ります。割と操作が簡単ですので、素人の方でもできます。

 

皮内鍼について述べます。(この鍼は素人の方では、出来ません)

 

鍼というのは、中国から日本に、仏教が伝来した頃、伝わりました。

江戸時代に入り、杉山和一という人物が、鍼管操作術を考えてより、日本独自の鍼の手技が編み出されましたが、鍼の形状は、たいして変わっていませんでした。

しかし昭和に入り研究熱心な赤羽幸兵衛という鍼灸師の先生が、赤羽氏法知熱感度測定法という独特な理論を考え出し、その治療法に適した皮内鍼(ひないしん)を考案しました。

この鍼は、皮膚に水平に2ミリ程刺入するやり方です。その為、留置したあと、上から押さえても、中に入っていく事はありません。(大相撲の大関旭國が好んでよく貼っていました。)

鍼をとめている事は、感覚的に患者さんは意識しません。

うんともすんとも感じないこの鍼が、痛みに対して効果を発揮します。不思議なものです。

 

私は、赤羽氏法東京普及本部の養命閣鍼灸院(東京都江戸川区)に勤務した縁があり、当時、院長の清水貞顕先生のカバン持ちで、主催セミナーに行き、皮内鍼を刺される役柄をしていましたが、出席されたドクターの方達も「こんな小さな針で本当に効くのかな?」と怪訝な顔をされていたのを思い出します。